酒造り

酒造りの理念

「伝統を守りつつ、さらに進化させていく」

丸山酒造は、明治時代初期より清酒を醸造しておりますが、その酒質はそれぞれの時代とともに違いがあります。それは、いつの時代にもより良い品質である上「うまい」清酒を造っていくという方針だからです。また、同じ風土、同じ酒蔵、同じ井戸水とともに清酒を造り続けているという伝統を守りつつ、「うまい」と言われるような清酒を造り続けるということが丸山酒造の進化であり方針なのです。進化という過程のなかで近年大きく変化したのは平成10年、それまで南部杜氏、越後杜氏などの酒造職人に酒造りをゆだねていましたが、その年から社員で酒造りを開始しました。従来の丸山酒造の酒質は大きく変わりました。「伝統を守りつつ、さらに進化させていく」このように丸山酒造は時代とともに進化していきます。

酒造り作業工程

丸山酒造のある埼玉県北部の豊里地区では、酒造りの時期(冬季)は、ほとんど雨や雪が降らず、日本の中でもとくに晴天率の高い地域であり、その為にとても乾燥した気候でもあります。また、利根川、荒川の大河川が近くを流れ、豊富な地下水脈のある地域でもあります。すなわち、雑菌の少ない乾燥された気候と豊富な水資源があり、豊かな自然が酒造りには適した環境だといえます。そうした自然の環境条件を上手に利用し、酒造時期も寒さのきびしい時期に行われる寒造りに徹した酒蔵です。

米作り

地元である深谷産米を使用しています。同じ風土で育った米と同じ地域の酒造用水また酒造りも同じ地域でおこなうことで地産地消という理想的なものになりフードマイレージも少なく環境には適していると考えます。丸山酒造では、今後は地元産米を多く使用する方向へとシフトしていく考えです。またお酒の種類によっては、各産地より酒造好適米等を仕入れて使用しています。

酒造用水

丸山酒造の酒造用水(仕込水等)は、利根川水系神流川の伏流水(井戸水)を使用しています。水質は酒造用水の規格としてはミネラル分の多い中硬水になります。その優れた水質は、微生物の栄養源となり安全な酒造りができます。出来上がるお酒も、すっきりとしたコクのあるお酒ができます。

原料処理

原料米の精米は現在信頼できる精米工場に委託しています。洗米工程では、丁寧にやさしく米を洗います。また米に水を吸水させる浸漬という工程では、適切な水分量を吸水させるため、氣を張っています。そして、翌朝に米を蒸あげます。実はこの工程の良し悪しで出来上がる酒質にかなり影響しますので、原料処理の工程はとても重要なポイントなのです。

麹つくり

麹つくりは、酒造工程のなかでお酒の味におおきく関係しますので、特にこだわりを持って行っています。写真は煉瓦を使用した麹室と出来上がった米麹です。明治、大正、昭和のシンボルである煉瓦はとてもレトロですね。東京駅や横浜倉庫街の煉瓦と同じ製造所ものです。(深谷煉瓦製)出来上がった米麹は麹室から出され広げて乾燥させます。冬季の深谷はとても乾燥する地域なので自然と乾燥されます。理想的です。

酒母つくり

酒母はアルコール発酵する酵母を育てる工程です。酒母の育成種類によって出来上がる酒質に影響しますので、数種類の酒母があります。丸山酒造では、速醸系酒母等です。酒母は泡の状態や甘味や酸味などが一日一日と変化していきますので、酒母つくりは面白いですね。

仕込み モロミ

大き目のタンクに出来上がった酒母と米麹そして仕込水を入れた中に温度や水分調整をした蒸米を投入し予定していたものに仕上げることを仕込みといいます。このような作業を3回繰り返し、一つのモロミに仕上げることを3段仕込みといいます。仕込みが予定通りになれば、順調な発酵がおこなわれます。

上槽じょうそう

出来上がったモロミを搾ることを上槽といいます。丸山酒造では、現在は自動圧搾機で上槽しますが、昔ながらの佐瀬式圧搾機もあります。搾られたお酒がでてくる時は、少しながら緊張もします。

貯蔵

搾られたお酒は原酒といいます。その原酒をブレンドや調整をして貯蔵します。これらの工程も酒造りの中では、高度な技術が必要です。貯蔵にはタンクに貯蔵するものとビンに貯蔵するものがあります。いずれも火入れという熱処理殺菌して貯蔵することが基本です。

出荷

一定期間貯蔵された原酒は、出荷前に酒質のチェックや調整をして出荷します。とくにひと夏越して熟成された原酒は、酒質の角がとれ、ほどよく熟成されます。また出荷されたお酒は、皆様においしく飲んでいただいているか、つくづく思っています。